子どもの前歯の重なりはなぜ?遺伝・口呼吸・顎の成長と相談目安|藤沢市の歯医者|Ken歯科

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子どもの前歯の重なりはなぜ?遺伝・口呼吸・顎の成長と相談目安

子どもの前歯の重なりはなぜ?遺伝・口呼吸・顎の成長と相談目安

健診で前歯の重なりを指摘されたときに知っておきたいこと


小学1年生の歯科健診は、前歯が永久歯へ生え替わり始める時期と重なります。重なりの背景には、遺伝や顎の成長、口呼吸や舌の癖など、いくつもの要因が関わることがあります。この記事では、家庭で観察したい様子と相談の目安を整理しました。原因を一つに決めつけず、経過を記録しながら相談の時期を考えていきましょう。


この記事の要点まとめ


  • 重なりには歯と顎の大きさや成長、生え替わり、口呼吸や舌の癖などが関わることがあります。
  • 生え替わりで位置が変わる場合もあり、写真や生活の様子を記録して経過を見ます。
  • 重なりの進行や咬み合わせが気になる場合は歯科へ相談し、鼻づまりには耳鼻咽喉科も検討します。

子供の歯並びが悪くなる原因は、歯と顎の成長だけ?

子供の歯並びが悪くなる原因は、歯と顎の成長だけ?

前歯の重なりは、歯と顎の大きさのバランスに、生え替わりの時期や日々の口の使い方が重なって現れることが多いものです。顎の発達は、遺伝的な要素と生活習慣などの環境的要因の両方に左右されると整理されています。


遺伝するのは歯並びそのもの?歯と顎の大きさの関係


受け継がれやすいのは「歯並び」そのものより、歯の大きさや顎の形、成長の仕方といった土台の部分です。永久歯の前歯は乳歯より一回り大きく、顎のスペースが追いつかないと重なって生えることがあります。


ただ、ご家族に歯並びの乱れがあっても、お子様が同じ経過をたどるとは限りません。食事や生活習慣のせいだと、保護者の方がご自身を責める必要はありません。原因を一つに絞れない場合がほとんどです。


乳歯から永久歯への生え替わりで前歯はどう変わる?


乳歯だけが並ぶ時期(乳歯列)と、乳歯と永久歯が混ざる時期(混合歯列)では、前歯の見え方が大きく変わります。生えたばかりの永久歯は傾いていたり、隣の歯と少し重なっていたりするものです。


隣の歯が生えてくるにつれて位置が変わることもあります。一時的な変化なのか、重なりが残る状態なのかは写真だけでは見分けにくく、顎の幅や歯ぐきの下で待っている歯の位置もあわせて確認します。


永久歯が増える時期に確認したい歯の位置と咬み合わせ


重なりの程度に加えて、上下の前歯がどう当たっているか、奥歯で噛んだときに前歯が閉じるかも見ておきたい点です。むし歯などで乳歯を早く失うと、隣の歯が寄ってきて、後から生える永久歯の場所が足りなくなることもあります。


「生えそろうまで待つ」か「早めに手を打つ」かは、口の中を実際に診たうえで判断するものです。


ポイント

前歯の重なりは、歯と顎の大きさ、生え替わり、口の使い方が重なって生じるもの。一つの原因に決めつけないことが出発点です。


口呼吸や舌の癖は、前歯の重なりとどう関わる?


口呼吸や舌の癖は歯並びを見るときの手がかりになりますが、それだけで前歯が重なったと言い切れるものではありません。舌、口の周りの筋肉、顎のバランスとしてまとめて見ていきます。


「お口ぽかん」が続くときは鼻づまりも確認


テレビを見ているときや寝ているときに口が開いていないか、唇が乾きやすくないか、いびきがないかを観察してみてください。鼻づまりの日が多く、口で呼吸せざるを得ない状態だと、口を閉じる練習だけでは解決しにくいことがあります。


鼻づまりが長く続く、睡眠中の呼吸が気になるといった場合は、耳鼻咽喉科への相談もあわせて検討しましょう。


指しゃぶりと舌の癖は、同じ影響として考えない


指しゃぶりなどの吸う癖は、上下の前歯が咬み合わない「開咬」との関連が報告されています12。ただし、前歯の重なり(叢生)の原因を示した報告ではない点には注意が必要です。


舌の位置や、飲み込むときの舌の動きは、それとは別に観察します。舌小帯(舌の裏のひだ)と歯並びの乱れとの関係もまだはっきりしていないとされており3、癖をやめれば重なりが整うとは限りません。


噛み方・食事の姿勢を見直すときに気をつけたいこと


「食べること」「話すこと」は、口の働きの基本です。食事中に足が床や台に着いているか、片側ばかりで噛んでいないか、飲み物で流し込んでいないかを見ると、口の使い方の様子がつかめます。


とはいえ、柔らかい食事や姿勢だけを重なりの原因とみなす必要はありません。忙しい日があるのは当然のことです。できる範囲で様子を見て、気づいた点を相談のときに伝えていただければ十分です。


前歯が重なるとき、家庭で見ることと歯科への相談目安

前歯が重なるとき、家庭で見ることと歯科への相談目安

健診で指摘を受けたら、家庭で経過を記録しつつ、変化の仕方によって相談の時期を決めていくのが現実的です。


写真で経過を残す場合と、早めに相談したい場合


定期的に、同じ明るさ・同じ角度で前歯の正面と噛み合わせた状態を撮り、撮影日を残しておくと変化を比べやすくなります。寝顔の口の開き方や、食事中の姿勢もメモしておくと参考になります。


家庭で気づいた様子考え方
生え替わり中で、重なりが軽く変化を追える記録しながら定期健診で確認
重なりが強まる、歯が内側や外側から生えてくる早めに歯科へ相談
上下の前歯が逆に咬む、前歯が閉じない早めに歯科へ相談
指しゃぶりが続いている歯への影響も含めて相談1

表に当てはまらなくても、保護者の方が気になった時点で相談して構いません。


お子様の歯並びを相談するとき、何を確認してもらう?


健診結果の用紙と家庭での記録をお持ちいただくと、来院された理由とご要望をともに探りやすくなります。歯科での相談では、歯の位置だけでなく、舌・口の周りの筋肉・顎のバランスや、呼吸・噛み方・飲み込み方も確認することがあります。


口の中と咬み合わせ、顎の発育を診たうえで、必要に応じてレントゲンなどの画像検査や、舌圧・口唇圧(舌や唇の力)の測定で口周りの働きを確かめる場合もございます。検査の要否はお子様の状態によって異なります。小田急江ノ島線の鵠沼海岸駅から徒歩1分の場所にあり、現在の診療日・時間はアクセスページでご覧いただけます。


矯正を提案されたら、装置・通院・料金の何を聞く?


まずは、経過観察ではなく治療を勧める理由を確認しましょう。混合歯列期には子ども向けのマウスピース矯正(インビザライン・ファーストなど)も選択肢になり、骨格的な問題が大きい場合はワイヤー矯正などとの組み合わせが検討されることもあります。成人向けの案内をそのまま当てはめないよう注意が必要です。


  • 通院の頻度と治療期間の目安
  • 検査料・装置料・調整料・保定料が含まれるか
  • 装置を使えない日が続いたときの計画変更の考え方

乳歯列・混合歯列期の治療は歯の生え替わりと顎の成長に合わせて行います。治療期間の目安は医師にご相談ください。通院の頻度は装置の確認や調整の内容によって異なり、治療後も歯並びの経過を見るための定期的な通院が続きます。永久歯が生えそろってから続けて治療(第2期治療)を行う場合は、さらに期間と回数が加わります。期間や回数は、歯並びの状態・装置の種類・装置を使う時間などによって変わります。


小児矯正の保険適用や費用は、治療内容やお子様の状態によって異なります。費用は一律ではなく、当院でも診察のうえでご案内します。治療期間・通院回数にも個人差があり、当院での見通しは診察のうえでご案内します。


矯正治療には、主に次のようなリスク・副作用があります4。


  • 装置を着けた直後や調整後に、歯が浮くような痛みや締めつけ感が数日続くことがあります
  • 装置が当たって口内炎ができたり、話しにくさや違和感が出たりすることがあります
  • 装置があると歯みがきがしにくく、むし歯や歯周病のリスクが高まります4
  • 歯の根や歯ぐきの変化が気になる場合は、医師にご相談ください
  • 顎の成長や装置の使用時間によっては、計画どおりに進まず期間が延びることがあります
  • 治療後に保定装置を使わないと、歯並びが元に戻ろうとする(後戻り)ことがあります

ポイント

健診の用紙と数週間分の写真・メモがあれば、相談のときに「何を診てほしいか」を具体的に伝えられます。


よくある質問


Q. 子供の歯並びが悪くなる原因は何ですか?


A. 歯と顎の大きさのバランス、顎の成長の仕方、乳歯を早く失ったことによる歯の移動、口呼吸や指しゃぶりなどの習慣が重なって影響すると考えられています2。どれか一つだけが原因とは言い切れない場合が多く、口の中を診たうえで要因を整理していきます。


Q. 前歯の重なりは成長とともに自然に整いますか?


A. 生え替わりの途中には、隣の歯が生えるにつれて位置が変わることもあります。一方で、顎のスペースが足りない場合などは重なりが残ることもあり、自然に整うかどうかは状態によって異なります。写真で経過を記録しながら、歯科医師にご相談ください。


Q. 鼻づまりが多い場合、歯科と耳鼻咽喉科のどちらに相談すればよいですか?


A. 鼻づまりが長く続く、いびきや睡眠中の呼吸が気になる場合は、耳鼻咽喉科への相談を検討しましょう。前歯の並びや舌・唇の使い方が気になる場合は歯科で確認できます。両方が気になるときは、順番にこだわらず相談して構いません。


Q. 子ども向けのマウスピース矯正(インビザライン・ファースト)はいつから検討できますか?


A. 乳歯と永久歯が混ざる混合歯列期が一つの目安とされますが、年齢だけで決まるものではありません。歯の生え替わりの進み具合や顎の状態を検査で確認し、適応かどうかを歯科医師が判断します。


Q. 小学生のうちに矯正を始める子は多いのでしょうか?


A. 始める時期はお子様ごとに異なり、周りのお子様と比べて決めるものではありません。経過観察でよい場合もあれば、早めの対応を提案される場合もございます。気になる様子があれば、まずは相談して判断の理由を聞いてみてください。


参考文献


1. Gao C, Wang M, He H, et al. Association between Non-nutritive sucking habits and Anterior open bite: A systematic review and meta-analysis. BMC Oral Health. 2025. PMID: 40619361 / DOI: 10.1186/s12903-025-06040-z

2. Sadoun C, Templier L, Alloul L, et al. Effects of non-nutritive sucking habits on malocclusions: a systematic review. The Journal of Clinical Pediatric Dentistry. 2024. PMID: 38548628 / DOI: 10.22514/jocpd.2024.029

3. Póvoa-Santos L, Lacerda-Santos R, Alvarenga-Brant R, et al. Ankyloglossia and malocclusion: A systematic review and meta-analysis. Journal of the American Dental Association. 2024. PMID: 37999659 / DOI: 10.1016/j.adaj.2023.09.014

4. 矯正歯科治療に伴うリスクや副作用について | 矯正歯科 | 横浜駅西口徒歩5分 歯科・矯正歯科・医科診療. https://www.hama.kdu.ac.jp/department/dental/orthodontic/orthodontic_012.html

5. 矯正歯科治療について | 公益社団法人 日本矯正歯科学会. https://www.jos.gr.jp/about


中村健

歯科医師


Ken歯科

院長

中村健

▶ 監修者プロフィール

経歴
日本大学歯学部 卒業
飯島歯科医院 勤務医
医療法人社団晃仁会 みなと歯科 勤務医
Ken歯科 院長
医療法人社団湘耀会 Ken歯科 理事長
資格・所属学会
日本小児矯正研究会
国際歯周内科学研究会
一般社団法人 日本摂食支援協会
小児歯科学会
老年歯科医学会
神奈川県歯科医師会在宅歯科医療相談医
神奈川県障がい者歯科1次医療担当医
神奈川県歯科医師会
藤沢市歯科医師会
日本糖尿病協会登録歯科医