みなさんこんにちは。
藤沢市の歯医者【Ken歯科】です。
「口がぽかんと開いていることが多い……。」
「横から見ると口元が出ている感じがする……。」
このようなお悩みがある保護者の方もいるのではないでしょうか。
もしかすると、アデノイド顔貌といわれる状態の可能性があります。
そこで今回は、「アデノイド顔貌」とその治療法についてお話させていただきます。
目次
■アデノイド顔貌とは?
アデノイド顔貌とは、アデノイド(咽頭扁桃)が肥大していたり、口呼吸が長期間続いたりすることによって形成される独特な顔立ちのことをいいます。
また、下顎が十分に発達せず、口元が突き出しているお顔立ちのことを指します。
アデノイドとは鼻から喉につながる部分にある組織で、2歳頃に大きくなり、成長とともに小さくなっていくのが通常です。
しかし、お子様によっては肥大したまま小さくならず、気道が狭くなることで口呼吸になりやすくなります。その結果、口周りだけでなく、顔つきにも影響を及ぼすのです。
口呼吸が習慣化すると、アデノイドに問題がなくても同様の顔つきになることがあります。
下記のような特徴があると、アデノイド顔貌の可能性があります。
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口がいつも開いている(口呼吸)
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上の歯や唇が前に出ている(出っ歯・上顎前突)
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鼻の下が長く、顎が小さい
■アデノイド顔貌の原因
◎口呼吸の習慣が原因になることも
人間は鼻で呼吸をする「鼻呼吸」が正しいのですが、口呼吸が習慣化していると舌の位置が下がってしまいます。
また、唇からの正しい圧がかからないため、出っ歯になりやすい傾向があります。
◎骨格のバランスの乱れ
成長期の顔や顎の発達は、咀嚼・姿勢・呼吸など多くの要因に影響されます。
口呼吸のまま成長が進むと、上顎が前に、下顎が後ろに位置するような骨格が形成されやすくなります。
◎アデノイド・扁桃腺の肥大
アデノイドや扁桃腺が肥大していると、鼻呼吸がしにくくなるため、口呼吸の傾向になります。
◎アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎も鼻が詰まっているため、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸になりやすくなります。
■放置するとどうなる?将来に及ぶ影響とは
アデノイド顔貌は見た目だけの問題ではなく、放置していると次のようなリスクが考えられます。
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噛み合わせが悪くなり、むし歯や歯周病のリスクが上がる
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発音や滑舌に影響することがある
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口呼吸で脳への酸素供給が少なくなる・睡眠の質が悪くなることで集中力や学習効率が低下することも
また、顎の成長がアンバランスだと、将来的に大人になってから矯正治療や外科的な治療が必要になることもあります。
■アデノイド顔貌は矯正治療で治せる?
アデノイド顔貌は、矯正治療で噛み合わせのバランスを整え、正しく呼吸ができる状態になると改善が期待できます。
ただし、口呼吸の改善も必要なため、必要に応じて対策しましょう。
◎小児矯正
お子様の永久歯が生え変わる段階で、顎の成長をコントロールし、永久歯が正しい位置に生えてくるように促します。
(マイオブレースやプレオルソ・インビザライン・ファースト・ワイヤー矯正など)
お子様の段階で、歯並びや噛み合わせのバランスを整えることで、口が閉じにくい状態を改善しやすくなります。
◎正しい呼吸法を身につける
日常的な癖の改善も大切です。
歯科医院では、舌の位置や呼吸法、姿勢などのトレーニングやアドバイスも行っているため、鼻呼吸の癖をつけるためにできることをお伝えします。
◎耳鼻科との連携も大切
アレルギー性鼻炎やアデノイド肥大の場合には、耳鼻科での治療も必要になります。
歯科医院だけでは対応できない場合には、耳鼻科との連携も大切です。
■アデノイド顔貌が気になる場合もご相談ください
アデノイド顔貌を放置していると、審美的・機能的にもさまざまな問題があります。
そのため、お子様の時期にその原因となる癖や習慣を矯正治療で改善しておくと、機能面や見た目も大きく変化します。
もしかして、その原因に当てはまっているかも……。と感じたら、お気軽にご相談ください。