プラークは、歯と歯の間や歯と歯肉の境目に付着した食べカスを栄養として増殖していくため、プラークを増やさない最良の方法は‘食べたら磨く’ことです。1日3回の食事後に歯を磨く習慣をつけたいものです。歯を磨くことで口の中がすっきりし、だらだらと物を食べ続けたり、間食をする習慣も減ります。
プラークを隅々まできれいに取り除くために、口の奥まで無理なく入る大きさの歯ブラシを選びましょう。また歯ブラシの毛先が開いてきた場合、すぐに取り替えましょう。


スクラッビング法~ 一般的な歯磨き方法 ~

歯ブラシを歯に直角に当て、1~1.5cmくらいの範囲で細かく左右に動かしながら、歯を1本1本磨く方法です。少しずつ歯ブラシを動かし、1本に付き最低10回は振動させましょう。
バス法~ 歯周病改善に最適 ~

歯周病の原因となるプラークを取り除くための特別な磨き方です。歯肉に対し歯ブラシを45度の角度で当て、歯周ポケット(歯と歯茎の溝)の中に毛先を入れます。出来るだけ柔らかく毛先の細い歯ブラシを使い、鉛筆を持つように軽く握り5mmくらいずつ軽く振動させるようにして磨きましょう。
フォーンズ法~ 子供や上手く磨けない方向け ~

歯肉と歯に対して直角に当て、円を描くように上下の歯を一緒に磨きます。
< 歯磨きの順番とその方法 >

歯ブラシで歯の表面や側面を丁寧に磨いても、歯と歯の間のプラークを除去することは難しいものです。そこで、デンタルフロスや歯間ブラシ用いることをお勧めします。歯と歯の間が狭い場合には、デンタルフロスを使いましょう。約30cmの長さに切って、歯と歯の間に入れて前後上下に動かしプラークを除去します。歯と歯の間が比較的広く開いている場合には、歯間ブラシを使いましょう。色々な大きさのものがあるので、自分の歯の隙間に合わせて選ぶと良いでしょう。歯間ブラシやデンタルフロスは、最低でも1日に1回は行うようにしましょう。

症状別歯磨き方法
健康な歯肉は、きれいなピンク色をしています。赤く腫れたり、痛みを伴う状態を「歯肉炎」と言います。歯肉炎を放っておくと「歯周病」に進行し、歯肉が歯を支えきれず歯を失うことになります。こうした症状を予防するには、歯と歯肉の間を丁寧に磨くことが基本です。歯肉炎が起きていても、しっかりブラッシングし、プラーク(歯垢)を除去すれば炎症が治まり、腫れも自然にひいてきます。ブラッシングは「バス法」が良いでしょう。 (「歯周病」参照)
虫歯の原因は、細菌の塊であるプラーク(歯垢)が口腔内の食べ残しを餌に酸を作り出し、歯を溶かしていくところにあります。虫歯も歯周病も「細菌の塊」= プラークが共通する最大原因です。つまり、予防法も同じく丁寧な歯磨き。歯磨きをする時は食べ物のカスだけでなく、プラークを十分に取り除く必要があります。
虫歯になる3大部位
- 歯と歯の間
- 歯と歯肉の境目
- 噛み合わせ面

隣の歯と接する部分はプラークが溜まりやすく、歯ブラシだけでは磨きにくい場所です。デンタルフロスを1日1回使用するようにしましょう。歯間部の隙間が大きい方は歯間ブラシを使いましょう。

歯と歯肉の境目はプラークが溜まりやすい場所です。歯周病が進行すると歯の根が出てきます。ここは、酸に対する耐性が低く、虫歯が非常に出来やすいので注意が必要です。

奥歯の噛み合わせ面は、デコボコとした溝があるため磨き残しの多い場所です。溝やくぼみなどを特に意識して、入念にブラッシングしましょう。
歯並びの悪いところは、歯ブラシの毛先が届きにくく磨き残しが多いため、全体を一通り磨いた後、更に1本ずつ狙いを定めてピンポイントで「縦磨き」するのが良いでしょう。ブラシを縦に持ち、毛先を歯と歯の間に置いて、上下に小刻みに振動させます。出来れば1束ブラシ(プラウト)を用いると良いでしょう。奥歯などの磨きにくい場所も、このピンポイント磨きがお勧めです。

虫歯でもないのに、“冷たい物がしみる”のが「知覚過敏」と呼ばれる状態です。歯肉がやせて、エナメル質の奥の象牙質が露出するために起こります。ゴシゴシと力任せに磨く人や、ブラッシングで力が加わりやすい場所に起こります。知覚過敏のあるところは、軟らかい歯ブラシでブラッシングするのが良いでしょう。歯磨き粉は研磨剤の入ってない物をお勧めします。

抜けた歯をブリッジで補っていると、ブリッジ歯と歯肉との隙間が磨き残しの死角になります。非常に磨きにくくプラークが溜まりやすいため、口臭の原因や、隣接する歯の虫歯、歯周病に注意が必要です。この場所は、通常の歯ブラシに加えて歯間ブラシを使ってきれいにするのが良いでしょう。歯間ブラシとは、細い針金の周囲にブラシをつけたようなもので、歯ブラシの毛先が入りにくい歯と歯の間、歯肉の近くをきれいにします。歯の間の隙間に入れて、前後します。自分に合ったサイズを選び、入らない所には無理に入れないようにしましょう。