みなさんこんにちは。

藤沢市の歯医者【Ken歯科】です。

「横から見たときに唇が前に出て見える」

「笑うと口元だけが強調される感じがする」

このようなお悩みがある方は「口ゴボ」と呼ばれる歯並びの乱れの可能性があります。

口ゴボは見た目の問題だけでなく、噛み合わせのズレ・発音のしにくさ・口呼吸のクセなど、日常生活に影響することもあります。

そこで今回は、口ゴボの原因や矯正治療で改善できるのか、そしてマウスピース矯正でも対応可能なのかといったポイントを解説していきます。

■口ゴボとは？特徴とチェックポイント

口ゴボとは、横から見たときに上唇・下唇を含む口元全体が前方向へ突出して見える状態を指します。

専門的には「上下顎前突（じょうげがくぜんとつ）」と呼びます。

【口ゴボに見られやすい特徴】

• 唇が自然に閉じづらく、力を入れないと閉じられない

• 上下の前歯が前方へ傾いて並んでいる

• 横顔のEライン（鼻と顎を一直線に結んだ線）より口元が前に出ている

• 笑ったときに口元だけが強調されて見える

これらの特徴に当てはまる場合は、「前歯が出ている気がする」「横顔の口元だけふくらんで見える」といった見た目の悩みにつながりやすくなります。

■前歯が出ている原因は？口ゴボにつながる要素とは

口ゴボはひとつの理由だけで起こるわけではなく、いくつか要因が組み合わさって現れることが多い症状です。

◎前歯の位置や傾き（歯並びが原因）

日本人に多いタイプで、上の前歯が前方向に傾いて生えていると、その分だけ口元が突き出して見えやすくなります。

◎上下の顎の位置（骨格的な要因）

上下の顎自体が前に出ているケースです。

遺伝の影響や成長過程によってアンバランスになることが多く、横顔の印象に大きく関わります。

◎歯の大きさと顎の大きさのアンバランス

歯が大きい・顎が小さいといったアンバランスが影響すると、並びきれない前歯が前へ押し出されてしまい、口ゴボに見えやすくなります。

◎口呼吸のクセ

口呼吸は日常的に口がポカンと開きやすく、唇の筋肉が弱くなることがあります。その結果、歯を外側からおさえる力が弱くなり、内側からは舌の圧力によって前歯が外側へ押され、口元の突出が目立ちやすくなります。

■口ゴボはマウスピース矯正で治る？

口ゴボの改善は、お口の状態や選ぶ矯正方法によって適応が異なります。

インビザラインなどのマウスピース矯正でも、条件が合えば多くのケースで改善が期待できます。

【マウスピース矯正で改善しやすいケース】

• 軽度〜中等度レベルの上下顎前突

• 歯を後方へ移動させるスペースを確保できる症例(例：IPRと呼ばれる歯と歯の間を少し削る処置、必要に応じて抜歯併用など)

マウスピース矯正は、1本ずつ細かく動きをコントロールできるため、「歯並びが原因で口元が出ているタイプの口ゴボ」は適応できるケースがあります。

【マウスピース矯正だけでは対応が難しいケース】

• 上下の顎自体が大きく前方に出ている骨格性の突出

• 顎変形症などの重度の口ゴボ

このような骨格的問題が中心のケースでは、ワイヤー矯正の併用や外科的な矯正手術が必要になることもあります。

■口ゴボを矯正で改善するための流れ

STEP1　精密検査と治療計画の立案

まず、3Dスキャンやレントゲンを用いて歯列・顎の位置関係を詳しくチェックします。口ゴボの原因が「歯の向きにあるのか」「骨格由来なのか」で、選択すべき治療法は異なります。

STEP2　歯を後方へ動かすためのスペース確保

前歯を引っ込めるには、まず後ろに下げる空間づくりが必要です。

• IPR（歯と歯の間を少量だけ削って幅を調整）

• 必要に応じて抜歯

STEP3　歯の移動

マウスピース矯正では、アライナーを段階的に交換しながら前歯を少しずつ後ろへ移動させていきます。

この過程で前歯の傾きも同時に調整し、口元のボリュームを抑えて横顔のバランスを整えます。

STEP4　噛み合わせと横顔の最終仕上げ

最後に、噛み合わせの高さ・左右のバランス、Eラインとの位置関係を確認しながら口元の仕上がりを微調整していきます。

■口ゴボはマウスピース矯正でも改善できる可能性があります

口ゴボは、「前歯の突出によるものか」「顎の位置に原因があるのか」によって適応になる治療が異なります。

歯並びが原因の場合はマウスピース矯正で改善できるケースもありますが、骨格が影響している場合はワイヤー矯正や外科的な矯正が必要になることも。

まずは精密検査で、どのタイプの口ゴボなのかを知ることが大切です。

「横顔が気になる」「口元をすっきり見せたい」などのお悩みがある方は一度お気軽にご相談ください。