離乳食の食べさせ方は舌に注意! 歯並びや発音に影響するって本当?|藤沢市の歯医者|Ken歯科

〒251-0037 神奈川県藤沢市 鵠沼海岸2-5-5

ブログ BLOG

離乳食の食べさせ方は舌に注意! 歯並びや発音に影響するって本当?


みなさんこんにちは。

藤沢市の歯医者【Ken歯科】です。


離乳食が始まる時期は、赤ちゃんの“食べる力”だけでなく、舌・唇・あごなどの筋肉を発達させる大切な時期です。実はこの時期の「食べさせ方」や「舌の使い方」が、将来の歯並びや発音にまで影響することをご存知ですか?


やわらかいものを“飲み込むように”食べる習慣や、スプーンの使い方を誤ると、「低位舌」と呼ばれる舌の位置異常を招くこともあります。


そこで今回は、離乳食の正しい食べさせ方と、舌の発達との関係について解説します。


■舌の位置が歯並びに関係する理由


舌は「食べる」「飲む」「話す」など、日常のさまざまな動作を支える大切な筋肉です。


リラックスしているときの舌の先は、上あごの前歯のすぐ後ろのポコッと出ている部分に軽く触れているのが理想的な位置です。


しかし、舌が下に落ちたままの「低位舌(ていいぜつ)」の状態が続くと、顎の発達や歯の並びに影響を与えることがあります。


■舌の位置が低いと起こりやすいこと


  • 口呼吸のクセがつき、口がぽかんと開いたままになりやすくなる

  • 上顎の横幅が十分に広がらず、歯が重なって凸凹に生えてしまい、歯並びの乱れにつながることがある

  • 唇や頬の筋肉のバランスがくずれ、発音がはっきりしにくくなる


そのため、離乳食の時期から舌を正しく使うことは、将来の歯並びや発音の土台を整える大切なステップになります。


■離乳食の与え方で気をつけたい3つのポイント


1. スプーンの使い方に気をつけましょう

スプーンを赤ちゃんの口の奥まで入れすぎると、舌が下に押し下げられてしまい、「低位舌」を助長する可能性があります。

スプーンの先を唇の中央に軽くあて、赤ちゃんが自分の舌ですくうように受け取るのが理想的です。


この動きが、舌の自然な前後運動を引き出し、正しい飲み込みの練習にもつながります。


2. 食材の形と固さは少しずつステップアップ

いつまでもなめらかなペーストばかりを与えていると、舌をしっかり動かす機会が減ってしまい、筋肉の発達を妨げることがあります。


月齢に合わせて、少しずつ「粒感」や「噛みごたえ」のあるものを増やしていきましょう。

特に離乳中期以降は、舌で食材をつぶしたり、歯ぐきで噛んだりする練習を取り入れることが大切です。


舌・頬・あごが連動して動くようになり、正しい咀嚼の土台が育ちます。


3. 口を閉じて食べる習慣を

口を開けたまま食べ続けると、口呼吸のクセがつきやすく、歯並びの乱れにつながることがあります。スプーンを抜くときに下唇で“パクッ”と食べるよう促すと、口を閉じる筋肉を自然に鍛えられます。


また、食事中はテレビを消して落ち着いた雰囲気を作ると、ゆっくり噛む習慣が身につきやすくなります。


■低位舌のサインを見逃さないで


次のような様子が見られるときは、「低位舌」の可能性があります。ぜひお子様の状態をチェックしてみてください。


  • いつもポカンと口が開いている

  • 舌を前に出したまま飲み込もうとする

  • 「さ行」「た行」などの発音がはっきりしない

  • 飲み込むときに顎や唇に力が入っている


これらは、舌が正しい位置で働いていない可能性があります。

気になる場合は、歯科医院で舌の動きやお口の筋肉の発達をチェックしてもらいましょう。


小児歯科や「口腔筋機能療法」を行っている歯科医院では、舌や唇の使い方を整える練習を取り入れながら、正しいお口の発達をサポートしています。


■歯科でできるサポートと家庭での工夫


歯科医院では、舌の動きや飲み込み方(嚥下)、呼吸の状態などを確認し、必要に応じて 口腔筋機能療法(MFT)をご提案することがあります。


口腔筋機能療法(MFT)とは、舌・唇・頬などの筋肉をバランスよく使えるようにするトレーニングで、歯並びや発音の改善にもつながります。


【ご家庭でできる簡単なトレーニング例】


  • 舌を上あごに持ち上げて「ポン」と音を出す練習をする

  • 歯応えがあってよく噛むメニューを取り入れる

  • ストローで風船や紙吹雪を吹く遊びをする


「食べる」「話す」「呼吸する」といった日常の動作は、すべて舌の働きと深く関係しています。離乳食の食べさせ方を工夫することは、きれいな歯並びだけでなく、正しい口の機能を育てるスタートです。


■離乳食の時間が「健やかな歯並び」への第一歩


離乳食の時間は、「食べる練習」であると同時に、舌やお口の筋肉を育てる大切な時間 でもあります。

スプーンの使い方や舌の動かし方を少し意識するだけで、低位舌の予防になり、将来の歯並び・発音・呼吸の発達にも良い影響が見込めます。


お子さんの食べ方や口の動きが気になるときは、歯科医院で「口腔機能の発達チェック」を受けてみましょう。

離乳食期の小さな工夫が、きれいな歯並びと健やかな成長を育む大きな一歩になります。


当院では管理栄養士による離乳食教室も行っております。

正しい離乳食の与え方や、お口まわりの筋肉を鍛えるメニューなど、ご不明な点がおればお気軽にご活用ください。


ken歯科
歯科医師
⇒院長の経歴はこちら