
みなさんこんにちは。
藤沢市の歯医者【Ken歯科】です。
「歯並びは遺伝する」と聞いたことはありませんか?
親の歯並びが気になると、子どもへの影響を心配される方も多いのではないでしょうか。
しかし、歯並びは遺伝だけで決まるものではなく、顎の骨格バランスや成長過程、日常の生活習慣の影響が大きいことが分かっています。
そこで今回は、歯並びと遺伝・骨格の関係を正しく理解して、将来の矯正治療の負担をできるだけ軽くするための早期対策についてご紹介します。
目次
■歯並びはどの程度遺伝するの?
遺伝するのは「歯並びそのもの」ではなく、顎の骨格や歯のサイズなどの土台の部分です。
例えば、「歯が小さい・大きい」「顎が小さい」などの特徴は遺伝的要素を含みます。
その結果、「歯がきれいに並ぶスペースが足りない」「出っ歯・受け口になりやすい」といった状態が起こりやすくなります。
ただし、歯の位置や並び方自体は、生活習慣や成長環境の影響を強く受けるため、必ずしも親と同じ歯並びになるとは限りません。
■骨格の成長が歯並びに与える影響
歯並びを考える上で重要なポイントのひとつが、顎の成長です。
顎の発育が不十分な場合、歯が適切に並ぶためのスペースが足りなくなり、次のような歯並びの乱れが起こりやすくなります。
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歯が重なって生えるガタガタの歯並び(叢生:そうせい)
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前歯が前方に出る出っ歯
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下の顎が前に出る受け口
などが不正な歯並びの代表的な例です。
特にお子様の成長期は、顎の発達と歯の生え変わりのタイミングのバランスが、将来の歯並びに影響するケースが多いです。この時期に適切な診断や治療を行うことで、将来的に大がかりな矯正治療を避けられる可能性もあります。
■子どもの歯並びに影響を及ぼす生活習慣
歯並びに影響するのは、遺伝や骨格だけでなく、日々の生活習慣も影響を及ぼすことがあります。毎日のちょっとした癖や生活習慣も歯並びの形成に大きく関わっています。
たとえば、指しゃぶりや舌を前に突き出す動きは歯を押して出っ歯のリスクを高めたり、口呼吸は唇からの正しい力がかからず、歯並びの乱れにつながることがあります。
また、やわらかい物ばかり食べる習慣は顎の発達が十分に促せず、歯が並ぶスペースが足りない要因につながる場合があります。
こうした習慣は、顎の健やかな成長を妨げ、歯並びの乱れにつながりやすくなります。
そのため、遺伝的な要因があったとしても、早期に生活環境や習慣を見直すことで、歯並びの悪化を防げる可能性があります。
■早めにできる歯並び対策とは?
歯並びのケアは、「矯正装置をつけること」だけが選択肢ではありません。
成長途中の今だからこそできる、負担の少ない対策があります。
◎早めに歯科医院でのチェックを受ける
気づいた時に歯科医院で歯並びや顎の成長を確認することで、「今すぐ治療が必要か」「しばらく様子を見るべきか」を適切に判断できます。
矯正治療をスタートする場合でも、より良いタイミングで治療を開始しやすくなります。
◎生活習慣・悪習癖の見直し
無意識のうちに歯並びが悪くなる習慣を日常的に行っている場合があります。
口呼吸や正しい舌の位置、使い方などの癖を早期に改善することで、顎の自然な発育を促し、自然な歯並びが整いやすい環境づくりにつながります。
◎成長を活かしたサポート治療
必要に応じて、小児矯正やMFT(口腔筋機能療法)を取り入れることで、お口の機能を正しく使うことにつながり、将来的な抜歯矯正や治療期間の短縮が期待できるケースもあります。
■子どもの歯並びは「遺伝と環境」どちらも影響する
歯並びは、遺伝だけで決まるものではなく、顎の成長や日々の生活習慣など、さまざまな要因が重なって形づくられます。
親の歯並びが気になる場合でも、早めに状態を確認し、成長に合わせたケアを行うことで、将来の選択肢を増やすことができます。
「今すぐ治療が必要なのか分からない」
そんなときは、まずは気軽に歯科医院で相談してみましょう。早めの一歩が、お子さんの将来の負担だけでなく、保護者の方の不安軽減にもつながるでしょう。
